眼鏡とは(大辞林 第三版)
不完全な視力を調整したり、強い光線を防ぐために、目につけるレンズや
色ガラスなどを用いた器具。
日本人は環境因子や遺伝因子などの関係から近視が非常に多いこともあり、
日本人の約3分の1以上の方が眼鏡・コンタクトを使用しているといわれております。
医療器具眼鏡以外でもPCメガネやファッション用メガネも普段から使わるれ方が
多くなってきてますので、医療用器具以外のメガネも含めると日本人口の約半分ぐらいの方が
眼鏡を使われているのではないでしょうか?
今では、当たり前のように多くの人が使っている眼鏡ですが、
今回は、眼鏡の誕生からクローズアップしていきたいと思います。
目次
①眼鏡の始まり
1289年にイタリアで出版された本の中に眼鏡に関する記述が発見されており、それが眼鏡の始まりではないかと言われおりますが眼鏡が使われ始めたのがイタリアらしいという程度で、誰が発明したかは不明となっているようです。
ちなみにその出版された本に、【 メガネという名前のガラスなしでは、もう字を読むことも出来なくなってしまった 】と書かれています。
②日本での眼鏡の始まり
1549年、日本ではキリスト教宣教師フランシスコ・ザビエルが、大名大内義隆に眼鏡を贈ったという記録が最初です。
残念ながら現物は残っておりません。また、室町幕府12代将軍・足利義晴が所持していたという眼鏡が残っており、これが現存する日本最古の眼鏡ではないかという説もあります。
そして、徳川家康が使ったと伝えられている物が久能山東照宮の遺愛品の中に収められております。
これらの眼鏡はみな手で持って見るタイプのもので、現在のように耳に掛けるタイプが出てくるのはずっと後になってからのことです。
足利義晴所持の眼鏡と眼鏡匣
③19世紀半ばにヨーロッパで眼鏡ブーム
この頃、ヨーロッパでは鉄線鼻眼鏡がブームを呼び、日本でも昭和の初期まで洋行帰りの紳士達に愛用されることになった。
ヨーロッパで流行した鉄線鼻眼鏡
出典元 : 京都 Antique Soil
④1920年代にモガ・モボたちにロイドメガネが流行
1920年代、西洋文化の影響を受けて新しい風俗や流行現象に現れ、当時の先端的な若者達
『モダン・ボーイ』『モダン・ガール』の間でもロイドメガネが流行した。
アメリカ映画からおしゃれを学ぶ事はこの頃から始まり、やがてアクセサリー・メガネブームを呼んだ。
ちなみにロイド眼鏡はセルロイドで出来ているという事と、アメリカの喜劇役者ハロルド・ロイドが劇中でかけていた事から、二つの意味を 持って「ロイド眼鏡」といわれています。
アメリカの喜劇役者ハロルド・ロイド
この当時日本ではボストン・タイプの耳かけ式のものが初めて出回り、鼻あてがクリングス(パッドが動くもの)に改良された。
ちなみに現在クラシックモデルと呼ばれている眼鏡は、1920~30年にかけての眼鏡をリバイバルさせた物であり、
現在の眼鏡のデザインに近づいたのである。
⑤1950年代 セルロイド眼鏡やウェリントンタイプが流行
50年代に入るとマリリン・モンローが掛けていたセルロイドのメガネが大流行する。
アメリカではアイビー・リーグ(アメリカ東海岸の8校からなるエリート私立大学)を中心にウェリントンタイプが大流行した。
アメリカ女優・モデル マリリン・モンロー アメリカミュージシャン バディ・ホリー
⑥1960年代以降は、眼鏡・サングラスがファッションアイテムに
視力を矯正する便利な道具として使われていた眼鏡も、時代と共に形を進化させ様々なデザインが生まれてきました。
1960年代にはサングラス・眼鏡がファッションとして本格的に注目されるようになり、オードリー・ヘップバーンがかけたようなサングラス、トンボメガネ、太陽族のセルのサングラスと流行めまぐるしく続き、70年代になるとビジネスマンたちのブロウラインが人気を呼び。
日本でもアイビー流行でオート型ブリッジメタルやウェリントンが注目されブームとなった。
80年代に入るとボストン型、レイバン、ニューヨーク・トラッドの登場でロイド眼鏡のリバイバルなど、
眼鏡はファッションの重要なアイテムとして表舞台に登場するようになってきました。
映画女優 オードリー・ヘプバーン
⑦まとめ
700年以上の歴史を持つ眼鏡。眼鏡が発明されてから現在に至るまで、
形は変われどいつの時代も眼鏡愛好者を魅了し続けてきたのではないでしょうか。
現代では偏光レンズ、ブルーライトカットレンズ、調光レンズ、フレームの軽量化、
更にはGoogle Glass など企業向けにメガネ型ウェアラブルコンピュータの開発・商品化が進んでおります。
今後もより使いやすく、よりファッショナブルな物に様々な面で工夫される事でしょう。
眼鏡愛好者の一人として、今後も過去未来の眼鏡も楽しんでいきたいと思います。